【エッセイ】夜の海でバイト仲間と語り明かした

10代の頃、少しだけ大手ファストフード店でアルバイトをしていた。

そのアルバイトで僕が得たものは、僅かなお給料と従業員割引でため込んだ10kg分のぜい肉。玉子を高速で割れるスキル、そして一緒に働いた仲間たちだ。

久しぶりに当時のメンバーで「新年会をしよう」ということになった。
一度は居酒屋の「飲み放題・食べ放題」を検討するも、子育て・仕事に忙しい年代なので、ファミレスで「来れる時間にサクっと来よう」というプランに変更に。

みんなで集まり、ご飯を食べながら近況報告をする。
ドリンクバーの割引チケットをシェアしながら、昔話をするわけでもなく、今の話をする。

私は今年33歳になる。集まったメンバーもほぼ同世代。
「イケイケドンドン」だった10代・20代の頃とは違い、みんなそれぞれ悩みを抱えながら生きている。
悩みの種もドバッとシンクに流し、心機一転ドリンクを注ぎたい…しかし現実はそうはさせてくれない。

ファミレスを解散後、残れるメンバーはドライブをし、コンビニで買い込んだジュースを片手に、夜の海で語り合う。

とても不思議なのだ。

通っていた高校、趣味や嗜好、交友関係も違う同世代の人間が、同じ場所で少しの期間一緒に働いていたというだけで腹をわって喋れる。

同じクラスであれば絶対に友達になっていないはずの人同士が、バイト卒業後10年以上の時を経ても居心地がいいのだ。

「悩み」をさらけ出せる人いる?

みんなSNSでつながっているんですよ。近況報告を常にしている時代なんですよ。

でも、日々の「悩み」って投稿する?それ、公開できる?
みんなSNSには楽しいことしか載せない。それでいいとも思う。

だからこそ、丸裸になって、本音で考えていることや、ストレートな気持ちをぶつける。全員どシラフだったけど、静かに熱い夜だった。

あの日の夜、パルコをバックに胃に流し込んだインスタントの味噌汁、烏龍茶、生ハムは自宅から歩いて数分のコンビニでいつでも変える、大量生産品なのである。しかし、あの夜の大量生産品は、オンリーワンの味がした。

ありがとう、みんな。

幸せなことに、私は家族に恵まれ、友人にも恵まれた。仕事の取引先にも恵まれている。

色んな人から色んな悩みを聴き、それを自分の中で咀嚼して、自分の頭で考える。

複数の出来事をつなぎ合わせて大きくしていくのが好きな性分なので、自分と全く違うライフスタイルの人から話も聞くのが面白い。

その結果、いずれはみんなの悩みを吹き飛ばすことができる、何かのキッカケを与えられる人になりたいなと。

私はみんなのことが好きで、みんなの幸せを願っています。

やっと、恥ずかしがることなく、まっすぐそう言えるようになりました。

みんなのスマイルはゼロ円じゃない。プライスレス。


2020-01-06 | Posted in エッセイComments Closed 

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